環境への考え方
フィルムの魔術師
19世紀から20世紀における大きな経済成長によって私たちの身近な生活は豊かになりました。ですが、少しだけ視野を広げてみると多くの問題が起きています。中でも環境に対する影響は大きく、例えば北極の氷が減り、絶滅していく動植物の種類が増えています。その結果、今では多くの国が環境の維持について自分たちがどうすれば良いのかを討論しています。
主な原因として取り上げられているのは地球温暖化や大気、水質などの汚染。またそれらによる環境へのダメージと考えられており、各国は対策を急がされています。
もしこのままでは私たちの未来である子供たちへ「あまりに大きすぎる遺産」として受け継がせてしまうかもしれません。今の地球を救うということは即ち「私たちの未来を救う」ことにも繋がります。パクト事業部もそれらの保護や維持に対して多くのことを考えなくてはなりません。
パクトはフィルムの魔術師です。
これまではパクト技術による一体化で現場作業の負担軽減やトータルコストの削減などをテーマにしてきましたが、少し視点を変えると今の環境問題に一体化技術が大きく役立っていることがわかります。それは移動に掛かるエネルギーコスト削減です。
ネジは一般的にナットはナットメーカー、座金は座金メーカーで製造しています。同じ用途の同じ組み合わせの業種ですが、部品の種類によりメーカーが異なるという特異な産業です。そのため現場にメーカーから始まり卸問屋や小売り店舗、ピッキングなど、いくつもの段階を経て少しずつバラされて輸送されます。
部品1つ1つがバラバラに移動するため、現場までの輸送を考えるとそれぞれに移動エネルギーが掛かってしまいます。しかしパクトであれば工場からは一体化されて同時に移動するため、作業が集約され、効率が改善し、移動に必要なエネルギー以外を削減することが出来ます。パクトの小さな魔術は環境問題解決の助けになります。
ネジの流通を変える
1.運送、管理の削減
地球温暖化の原因の1つとして、温室効果ガスが増えたことが挙げられます。その中でもCO2(二酸化炭素)は関連性が強いとされており、世界中で削減して社会の脱炭素化を進めよういう動きが活発化しています。
ネジも通常では複数の部品を複数のトラックが配送します。材料メーカーから問屋、店舗に出荷されピッキングに至るまでエネルギーコストは掛かり続けます。パクトの一体化技術を使用することで複数品種分必要だった移動がパクト事業部を経由し、整理されるすることで集約されます。その結果として重複していたCO2の排出量を総合的に抑えることが出来ます。
その他にもネジ部品はそれぞれケース、小箱の数が違っており、材料の余りなども問題の1つとなっています。パクトで一体化されている場合はナットと座金類が一対の状態になっているため。在庫や余りが抑えられます。そのため必要のない生産を予め抑えることが出来ることから、環境への寄与はより大きくなります。さらに移動の簡素化により梱包資材や伝票の削減なども出来て、総合的に効率を上げることが出来ます。
パクトはネジの流通を変えることで環境へ貢献しています。
2.工程に掛かる負担の軽減
作業工程が多くなると、使用するエネルギーが多くなります。例えば現場で使用するネジ部品ですが、いざ施工するときに数が不足したりすると再び取りにいかなくてはなりません。数の問題は単純に不足だけでなく、ポケットなどから取り出すときに落下するなどのアクシデントも含まれます。その分の作業効率も落ちるため、現場だけではなく会社にかかる負担も「チリ積も式」に増えていきます。
見た目には小さなことですが、世の中に見られる多くの環境対策がその「チリ積も」を抑えるための施策であることを考えると、小さな積み重ねの重要性がわかるかもしれません。
パクトで変わるネジの流通は現場にも現れます。
パクトの一体化技術で工程の簡略化を行うとそれらの手間をかなり抑えることができ、作業品質を上げながらエネルギー削減をすることが出来ます。
また通常のナット、ばね座金、平座金であれば複数の部品を倉庫で管理し、数を数えて持ち運び、現場で必要数を落とさないように取り出すという気を使う作業が必要になりますが、パクトの場合はケースから取出すだけで複数の仕事が終了しています。現場での作業負担を最小限にすることは高所や狭所、暗所の作業では安全性の向上などにも影響しますし、安全性、確実性の向上は余分なエネルギーの削減に繋がります。工程を簡略化することで地球環境以外にも作業や労働の環境も改善します。これがパクト事業部のトータルコスト削減という環境問題に対する回答です。
3.パクト事業部の環境宣言
ネジ部品は製品単体として見ると環境負荷や影響が低いものですが、品質を由来とした劣化や交換サイクルが著しく早いものは効率的な結果を期待できません。これからもパクト事業部では広い視野で物事を捉え、環境やライフサイクルなどを満たすのを念頭に総合的な観点により、環境に、人に、社会に優しい技術を追求していきます。
一枚の被膜がネジの環境を変える
パクトのフィルムはポリ塩化ビニル(通称:塩ビ)です。塩ビは地球に無尽蔵にある食塩60%と石油から生成されるエチレン40%を材料にしたプラスチックです。他のプラスチックが100%石油に依存していることから、近年の環境問題では世界中で再評価されています。
丈夫で長い間安全に使用できるため、農業分野、医療、自動車、ファッション、住宅向けなど、生活に関連するありとあらゆるところで利用されている素材です。その上加工性も高く、ロンドンオリンピックではメインスタジアムやバスケットボール会場、射撃競技場、仮設レストランや椅子に至るまで大々的に使用されました。
塩ビは製造・加工工程や燃焼行程においてエネルギーがかかならないためライフサイクル二酸化炭素排出量が少なく、天然資源の使用を減らすことができます。また無機物を始めとして幅広い物資と相溶性が良く、再加工過程での劣化が小さいことからリサイクル率がとても高いことが知られています。
これらの理由から他のプラスチックと比較しても環境への負担が小さく、上手に利用することでカーボンニュートラルの実現に貢献しており、地球温暖化防止に効果を見せています。
たった一枚のフィルムがネジの環境を変えます。
パクトはこの塩ビの70ミクロンと言うとても薄い皮膜でネジを一体化しています。これまで多くの作業工程の簡略化、効率化を達成して来ました。そしてこれからも良い素材を的確に利用しながら、より負担のない使われ方を目指し、作業環境だけでなく地球環境を効果的に保全するための商品開発を目指していきます。